Thursday, December 21, 2006

この木何の木


この木何の木気になる木、というTVコマーシャルがある。それがどこにあるかと言うとハワイのオアフ島にあるのは知る人ぞ知る。気に留めなければ何ていうことがないハワイではそこらじゅうにある木だけれど、あのコマーシャルに出て来るような大きな木は南国の厳しい太陽から草木を守り、人々に憩いの場を与えてくれる自然大型日傘の役割をしている。
ところが、この木、住宅地区や道路沿いにあると、春には大変な空しい繁殖活動を始める事がわかった。この木の名前はモンキー・ポッド・ツリー。私がハウスシッターをしている家の向かいに2本この木がある。3月4月に向けて長さ10センチから30センチの黒紫色した固い鞘に入った種がぽとんぽとんと落ちて来る。その数は尋常ではなく、毎日朝晩2回家の周りを掃いて一日に大きなゴミ袋一杯分がでる。掃く後ろからまたぽとん。その度にはえたたきではえを追っかけているような気持ちになる。見た目が遠目にはひからびた犬のうんこみたいで何とも近所、この住居の美観をそこねる。しかも踏みつぶされると中から白いべっとりとした粘液とともにこれまたおびただしい数の種が出て来る。一体一本の木からいくつの種を産み落としているのだろうか。そして、 それが悲しいかな生命の継承には一切なってない。 少なくとも住宅地区では。
その昔、娘がまだ保育園に通っていた頃、遠足でマサチューセッツ州の小さな島まで遠足に行った。子供達は大きな円になり、島の自然保護の係のおじさんからのお話しが始まった。南アフリカから来たそのおじさんは子供達に次のような質問をした。「おじさんはね、アフリカいる時、ジャングルにキャンプに行ったんだ。そしたらね、夜中にがさごそと音がする。それで、目を覚まし見ると、おじさんの胸の上を蛇が這ってた。こわかったよ〜。で、おじさんどうしたと思う?」子供達が一斉に手を上げる。「撃ち殺した」「つかんで叩きのめした」「ナイフで切った」おじさんは「いやいや、おじさんはね、そっとそばにあった小枝をとってちょこちょこついて向こうにいってもらったんだよ」その場が一瞬し〜んとなる。「だってそこはへびさんたちのお家のようなもんでしょ。そこに侵入してるのはおじさんだったからね。だから、君たちもよそのお家を訪ねているようにこの島を見て楽しんで行ってね。」「はーい」子供達の元気な声があがる。もちろん、その日子供達は草一本ぬかなかった。
あの時の話しを思い出しながら、この木はきっと子孫をたくさん残してここを緑でいっぱいにしたいのだろうけれど、人間が家を作り、ショッピングセンターをつくり、そこらじゅうコンクリートでかためて庭には芝生を植えてしまってる。モンキー・ポッド・ツリーさんの生活環境を人間が都合のいいように変えてしまったんだ。第一この木の御陰で何件かの家は夏を涼しく過ごせるじゃないか。いやいや、被害者はこちらじゃなくてあちら。モンキー・ポッド・ツリーさん、ごめんなさいと言いながら明日から掃こう、ん?掃いてもいいかな?少なくとも文句は言わないで掃こう。

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